権田猛資の台湾ノート

台湾生活の中で見たこと、学んだこと、考えたことを記録していきます。

「自由」と「民主」を護る決意と覚悟を世界中に示した台湾人

2020年1月11日に投開票された台湾の総統選挙及び立法委員選挙について、現職の蔡英文総統は史上最多の得票数である817万231票(得票率57.13%)を獲得し、二期目の再選を果たした。これは2016年の総統選挙で獲得した689万4744票(同56.12%)を上回る結果で、552万2119票(同38.61%)を獲得した韓国瑜・中国国民党総統候補に「大勝」した。投票率は過去二回の総統選挙を上回る74.90%であった。

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蔡英文総統が二期目の再選を果たした

また立法委員選挙(全113議席)においても、民主進歩党は61議席を獲得して単独過半数を達成した。もともとの68議席から僅かに減らしたものの、引き続き蔡英文政権の政策を実現、促進するにあたり、十分な結果である。

 

今回の総統選挙・立法委員選挙で、民進党は中国との距離、即ち民主主義や自由といった普遍的価値を権威主義国家・中国から守護する戦いと位置付けた。2019年1月2日に習近平・中国国家主席が「一国二制度」の台湾モデルに言及する談話を発表して以来、蔡英文総統は、一国二制度は断固として受け入れられないという強い姿勢を貫いてきた。また6月以降の香港民主化デモは、台湾人の中国に対する危機感をさらに強化させ、中国に明確に「ノー」と言える強いリーダーとして蔡英文総統は多大な支持を集める契機となった。一方、対中融和路線を志向する中国国民党は圧倒的多数の台湾人の心を動かすことは最早できなくなってきている。

 

今回、民主主義国家・台湾は平和裡に公平公正な選挙を成し遂げ、自由民主を守る決意、覚悟を世界中に示した。当選後、蔡英文総統は国際記者会見において、「国際社会は台湾人が民主主義の価値を堅持していることを目の当たりにし、私たちの国家認識を尊重してほしい。そして台湾の国際社会への参画において公平な対応を希望する」と語った。

 

権威主義国家・中国が力による覇権を目指す今、「自由で開かれたインド太平洋」を死守するために台湾の民意に応える責任と使命が日本にもあるはずだ。日本は台湾人の強い覚悟に学び、自由民主主義陣営の更なる連帯を進めるべきだ。

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民進党本部前で大勝を祝う人々

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