権田猛資の台湾ノート

台湾生活の中で見たこと、学んだこと、考えたことを記録していきます。

第45回廣枝音右衛門氏慰霊祭のご案内【2020年9月26日】

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今年で45回を数える廣枝音右衛門氏慰霊祭。

1976年9月26日、中華民国・国民党体制における戒厳令下で始まった慰霊祭は、これまで途切れることなく、台湾の地で執り行なわれてきました。

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2019年慰霊祭集合写真

かつて警察官として台湾に赴任した廣枝音右衛門氏は、先の大戦中、台湾人青年達で構成された海軍巡査隊の大隊長に抜擢され、フィリピン・マニラに渡りました。

 

日に日にマニラでの戦局は悪化、ついに廣枝部隊にも玉砕覚悟の突撃命令が下されました。しかし、廣枝氏は台湾人部下達に対し「いけるところまでいけ」との言葉を告げ、暗に米軍への投降を促したそうです。その後、廣枝氏は自決、部下達は米軍に投降して生きて台湾に帰りました。

 

生き残った部下達は、命を救ってくれた廣枝氏への恩義を生涯忘れず、かつての敵である中華民国・国民党の体制下で密かに廣枝氏を台湾北西部・苗栗の勸化堂(かんげどう)にお祀りしました。そして部下達は先述の慰霊祭を毎年9月26日に欠かさず行なってきたのです。

 

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勸化堂

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2019年慰霊祭の様子。廣枝氏の位牌前にて

2013年慰霊祭当日に最後の生き残りの部下であった劉維添氏がご逝去。その後は劉氏と親交のあった渡邊崇之氏が「バトン」を受け継ぎ、今も慰霊祭は毎年9月に行なわれています。

 

そして、今年の慰霊祭は、劉氏ら部下達が廣枝氏の位牌を台湾に安置し、慰霊祭を初めて行なった日でもある9月26日(土)に執り行ないます。

 

残念ながら、コロナ禍で日台間の自由な往来はストップし、今年は日本からのご参加が叶いませんが、戦後75周年、そして45回目の節目でもある今年の慰霊祭は、台湾在住の有志の皆様とともに、日台交流秘話の現場を訪れ、先人達が紡ぎ育んできた日台の絆に感謝し、手を合わせることができれば幸いです。

 

▼第45回廣枝音右衛門氏慰霊祭のご案内

日時:2020年9月26日(土)7時45分集合 8時出発 17時30分頃解散(当日の混み具合で時間は前後します。)
場所:台北駅・東3門出口集合
会費:完全実費制1,000元(バス代、お布施、食事代込み)。当日回収。
申込フォーム:

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