第44回廣枝音右衛門氏慰霊祭の開催報告
9月22日(日)、今年も快晴に恵まれる中、台湾北西部・苗栗の獅頭山勸化堂にて、第44回廣枝音右衛門氏慰霊祭が斎行されました。
今年の参加者は全35名で、内19名は初めてのご参加でした。少しずつであっても、廣枝氏と台湾人部下達を繋いだ絆や台湾で位牌が安置され慰霊祭が戦後行われてきた秘話が知られていけばよいなと思います。また例年以上に台湾人参加者も多かったです。「先輩」たちが築いた日台の礎に想いを馳せた日台双方の有志で作り上げられた慰霊祭だったと言えます。
一向は台北駅から8時にバスで出発し、途中9時に新竹のガソリンスタンドから乗車される方と合流して、例年よりも早く10時には獅頭山に到着しました。
10時40分より、廣枝音右衛門氏の位牌を安置している勸化堂にて導師様の読経が始まり、参加者は心静かに手を合わせました。
その後、勸化堂の黄錦源・董事長に董事長室にお招きいただき、ご講話を賜ったほか、本慰霊祭主催者である渡邊崇之氏から、黄董事長と劉氏の女婿である王銘文氏に対し、日頃の感謝と毎年の慰霊祭斎行における多大なご協力への御礼として日本人形が贈られました。
また、例年、慰霊祭にお越しいただいている劉氏の御息女の劉采文氏と御令孫の王策鋒氏にもご出席いただき、劉維添氏がどのような方であったか、ご遺族の立場からお話しいただいて故人を偲びました。
獅頭山を下った一向は、南庄の街に赴き、地元の客家料理レストランにて昼食をとり、その後、日本時代の郵便局などが残る南庄老街を散策、そして17時30分過ぎに台北駅に戻り解散となりました。
帰路のバスでは参加者の皆様に慰霊祭に参加しての感想を一人一人うかがいました。多くの皆様がおっしゃっていたのは、慰霊祭に今後も参加していくことで、廣枝氏や劉氏など故人を再び「死なせない」ということでした。
私自身も一年に一度は獅頭山を訪れ手を合わせることで、廣枝氏と台湾人部下達がなぜここまで強い絆で結ばれているのか、想像を巡らせ、先人達が築いた礎に感謝し、それをしっかり引き継いでいく決意を強くしなければと思っています。
来年2020年の第45回慰霊祭は9月26日です。9月26日は1976年に台湾人部下達が廣枝氏の位牌を安置して永代仏として供養し、最初の慰霊祭を行なったその日です。
先人達を「死なせない」よう、ぜひ多くの皆様に来年の慰霊祭にご参加いただければ幸いです。
【関連文章】
廣枝音右衛門氏慰霊祭〜受け継がれる日台「仁義」のバトン〜(2019年5月21日、hibiki Culture Lab)
【公式Facebookページ】