芝山巌事件で犠牲になった教育者・関口長太郎先生の慰霊顕彰祭に参加して
11月3日に愛知県西尾市で執り行われた関口長太郎先生慰霊顕彰祭に参加させていただきました。
関口長太郎(せきぐち・ちょうたろう)は、愛知県西尾市出身で、西尾小学校の初代校長を務めた教育者です。
日本統治時代初期に台湾へ渡り、現地で日本語教育に従事しました。そして、1896(明治29)年元旦に日本人教育者6名と用務員1名が土匪によって惨殺された芝山巌事件の犠牲者の一人でもあります。
命を惜しまず、最後まで教育者として土匪の説得にあたった関口ら「六士先生」の犠牲的精神は、事件後、台湾で称えられ、芝山巌事件の地は教育の聖地となりました。身を殺して義を成し遂げた関口らの存在は、日本統治時代の学校教育の中で教えられたと話す日本語世代の方も多いです。
今回参加させていただいた慰霊顕彰祭は、地元有志の方々によって始められたもので、「関口先生の功績を忘れない」(主催者のお一人である磯貝暢宏さん)ために一年に一度、斎行されています。
当日は西尾小学校敷地内に建つ関口の顕彰碑前で神式の慰霊を行なった後、関口の墓石がある市内の盛巌寺にて追悼法要が行われました。
地元の方々を中心に50名近くが集い、関口先生の志に想像を巡らせて手を合わせました。
教育に命を捧げた郷土の誇るべき偉人・関口長太郎を忘れないように、地元の方々によって慰霊が続けられ、親族が絶えたお墓が今も守られていることを目の当たりにした慰霊祭でした。