権田猛資の台湾ノート

台湾生活の中で見たこと、学んだこと、考えたことを記録していきます。

一味違う台湾旅の攻略本!片倉ご夫妻の新著『台湾 旅人地図帳−台湾在住作家が手がけた究極の散策ガイド−』を拝読して

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片倉ご夫妻の新著。イラストレーター・namiさんによる挿絵もかわいいです

片倉佳史さん(台湾在住作家)・真理さん(台湾在住ライター)ご夫妻が新著『台湾 旅人地図帳−台湾在住作家が手がけた究極の散策ガイド−』(ウェッジ)を10月18日に出版されました。

 

昨年4月には片倉真理さんの『台湾探見 Discover Taiwan−ちょっぴりディープに台湾(フォルモサ)体験』、今年3月には片倉佳史さんの『台北・歴史建築探訪 日本が遺した建築遺産を歩く』がそれぞれウェッジから出版され、今回の新著も台湾の美しい写真の数々が掲載されたオールカラーの一冊です。

 

新著は、地図と文章、写真で構成され、台北、台湾北部、中部、南部、東部、離島から計80の街を厳選し、各地の街の歴史や特色、旅のスポット、ご当地グルメなどを紹介しています。

 

また、これまでの書籍ではスポットライトが当たらなかった歴史的遺構や建造物、日台交流秘話の現場などがたっぷり取り上げられており、台湾旅初心者だけでなく、台湾旅の「リピーター」にとっても大満足まちがいなしです。

台湾を学ぶ面白さ、楽しさを大いに享受でき、台湾理解を深めることができる一冊です。

 

一方で多くの既存のガイドブックなどで紹介されている観光地や、お店やホテルなどの住所や営業時間といったデータについては記載されていません。

したがって、いわゆる「ガイドブック」とは性質が異なります。

 

本書で片倉ご夫妻は以下のように書かれています。

 

「ガイドブックの理想を突き詰めると、旅人から『発見』という愉しさを奪ってしまうのである」

 

これは、本書の執筆にあたり、ご夫妻が常に考え、苦悩された「問題」なのだと推察します。

「完璧」なガイドブックを作り上げることで、読者から旅の愉しさを奪わないように配慮された、旅人として、また台湾在住作家としての「美学」が存分に詰まった一冊だと思いました。

 

台湾在住取材歴20年以上の片倉ご夫妻のご著書に共通するのは、本を読んで満足するだけではなく、自分も現場に足を運び、さらに学びを深めていきたいという知的好奇心がくすぐられることです。

 

やはり、本書を読了した後も同じように、本書を手に旅に出かけたくなりました。個人的には本書でも一章分使って紹介されている離島(金門、馬祖、澎湖・馬公)に行きたくなりました。

 

本書を通じ、改めて台湾は多くの魅力が溢れ、追究・探索を続けたくなる土地だと再発見できました。